夏イチゴで沿岸に新しい産業を
第26回 株式会社リアスターファーム 代表取締役 太田祐樹さん
冷涼な気候が育む四季成りイチゴ 「イチゴの旬は春」以前はそういったイメージがあったが、今はクリスマスケーキの需要に合わせた促成栽培が主流で、11月下旬から初夏を迎える頃まで販売されるようになった。 し...
岩手で活躍するさまざまな“人”に焦点を当て、紹介する「いわてプライド」。 この土地に誇りを持って生きる人たちの、熱い想いを伝えます。
実家がリンゴ農家を営んでいるという熊谷さんは、農学職として入庁し今年で10年目を迎えた。これまで岩手県農業研究センターや農業改良普及センターなどで勤務し、現在は県産米戦略室の主任として、栽培に関する情報提供や関係者を対象とした会議運営など、県産米の生産に係る企画業務を担当している。
近年では新型コロナウイルス感染症の影響で外食産業における米の消費が低迷し、なかなか明るい兆しが見えてこない。岩手県ではこうした状況を受け、SNSによる情報発信を行うほか、観光などで岩手を訪れた人たちに県産米を配布。岩手の米のおいしさを広め、少しでも購買につなげたいと力を注いでいる。
「県産米戦略室は、平成29年から米の栽培技術向上と生産者のモチベーションアップを目的に『銀河のしずく頂上コンテスト』を開催しています。さらに今年度は『至福の味、金色の風コンテスト』も実施し、合わせて100点以上が出品されました」
コンテストの一次審査では食味成分を分析する機械を使い、それぞれ5点を選出。その後、米の専門家や料理人などの有識者が試食し、色、香り、甘さ、軟らかさ、粘りなどを総合的に審査する。
熊谷さんは、「今年はお米のできが良くかなりの僅差になりましたが、銀河のしずくは花巻市の『伊藤利美』さんが、金色の風は奥州市の『株式会社百姓』が一位に輝きました。岩手のお米は全国的に見ても高い品質を誇っていますし、年々レベルアップもしています」と語る。
「江刺金札米」が今年で100周年を迎え、12月に小川節男JA江刺組合長らが達増知事を表敬訪問した。その際に炊いた金札米は、後ほど職員がおいしくいただいたそう
こうした岩手県内での活動もさることながら、今年は「銀河のしずく」が宇宙を旅したことも話題になった。これは「東北復興宇宙ミッション2021」の一環として、東日本大震災津波で被災した岩手県と宮城県、福島県の特産品をロケットで打ち上げ、宇宙から復興の様子や支援への感謝を世界に発信するというもの。岩手からは「銀河のしずく」のほか、大船渡市のツバキや大槌町のハマギクの種などが選ばれた。
34日間の宇宙旅行を終え、地球へと帰還した「銀河のしずく」は、北上市にある農業科学博物館に展示されているほか、農業研究センターで今後の活用に向けた増殖も行っている。
「宇宙に関連した取り組みとしては、衛星写真を使った情報提供も行っています。衛星から撮影された岩手県の水田風景を画像解析することで、生育状況の確認や米の中に含まれる成分を推定することができるんです。さらなる品質の向上につながることを期待して、昨年度からスタートしました」
特に「銀河のしずく」や「金色の風」には高い品質目標が定められており、それをクリアしているかどうかの判断材料としても衛星写真を活用することができるのだという。
これまで県内各地で農業と関わってきた熊谷さんに「これから実現したいこと」について尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「生産者の顔が消費者に見える環境を作りたいと思っています。以前は仕事を通して農家さんと接する機会が多く、『これ作ったから食べて』と野菜などをいただくことがありました。顔なじみの人が作ったものには親しみが湧きますし、食材への信頼度も増します。どんな生産者がいて、どんな思いを込めて作っているのか。それを知ることで岩手で暮らす人たちが地元食材に興味を抱き、今まで以上においしく食べてもらえるようになれば嬉しいです」
岩手には米はもちろん、野菜や肉、魚など、おいしい食材があふれているが、それは決して当たり前のことではない。一つ一つに込められた生産者の思いを知ることで、よりおいしく、そしてより大切に味わうことができるだろう。10年に渡り岩手の農業と向き合ってきた熊谷さんは、これからも生産者と消費者をつなぐ架け橋としてさまざまな取り組みを続けていく。
いわて純情米ホームページ
http://www.iwate-kome.jp/
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フリーライター 山口由(ゆう)
2011年、東日本大震災をきっかけに横浜から盛岡へUターン。現在はフリーライターとして、お店や人材の紹介、学校案内、会社案内、町の広報誌など幅広く活動中。取材を通して出会うさまざまな人の思いや歴史を知り、「岩手ってすごいなぁ」と実感する日々を送っている。趣味は散歩と読書、長距離ドライブなど。ホームページはコチラ。
カメラマン 佐藤 到
1969年宮城県白石市生まれ。進学で来県すると、岩手の環境や住みやすさが気に入って定住。
写真店勤務を経て、フリーカメラマンとして独立。
フィルム時代から経験を積み現在は人物・風景・スポーツ・スクールスナップ・ウェディング・料理・商品などなど何でも撮影します。
佐藤到 インスタグラム
https://www.instagram.com/forzaitaruy_ly25/
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